その一　移住できるんかい！ほんまに

　北海道への想いは約20年前に遡ります。
中学1年生の時に一人で訪れた親戚のいる日高へ。
当時はまだ青函連絡船なんて旅情色満開の乗り物などもありまして、
これまた今はなき大阪発青森行き（なんて無謀な）昼間特急「白鳥」に乗って北へ向かいました。
白鳥が14時間、青函連絡線船が4時間、苫小牧まで特急で4時間、更に普通に乗り換えて約3時間・・・
今でも青函連絡船内で新聞紙を敷いて寝た記憶が鮮明に残っています。
その旅の中で知り合った「チャリダー」に感化され、高校2年生の時に晴れて北海道チャリデビューを果たしました。
以後も数年ごとに長期滞在型の北海道旅行を繰り返してきました。

　やがてなんだかんだ会社は変わりつつも社会人を10年やって30才
「そういえば前に北海道長期旅行行ったの何年前かなぁ〜」なんて悪いことを「つい」思い出してしまい
「そういえば前回は数日しか滞在できなかったなぁ〜」なんて贅沢なことを思いつつも
4年に一度のオリンピックの如く北海道への熱い思いが沸々と湧いてしまったのであります。
思い立ったが吉日
ではなく単純に欲望が抑えきれないただの馬鹿者。
「30にもなってそんなブラブラしてていいのか！」なんて親からは言われましたが半ば諦められてる状態。
8月いっぱいで2年半働いた会社を辞めてしまいました。
いい感じで頑張ってこれたのでどこか少し後ろめたい気持ちもあったのだけどここは思い切りが肝心。

　で、本当に移住できるのだろうか・・・
今の段階ではそこまで深刻に考えてなかったりして・・・
長期旅行の延長線というお気楽な状態で「何か仕事あるやろ〜」とかなり楽観視。
自分で言うのも何ですが、かなり甘く考えているのであります。
移住は出来るのでしょうが、「就職」はちょっと大変だぁ。
ましてや何のスキルもない人間が仕事を探す訳ですから。
しかも30才！
どないして仕事をみつけようか・・・
どうせならやりたかった仕事を探してみよう。

どこまで馬鹿な男なのであろうか・・・
と思う2004年9月1日の夜でありました。